Leaf house

札幌市 在来木造 平屋建て
敷地面積 563.95㎡ 延床面積 100.75㎡ 建築面積 107.55㎡
施工 岩田住宅商事株式会社 撮影 酒井広司

敷地は小樽市、銭函の山と海が望める150坪の北向きの傾斜地に建つ30代の夫婦の暮らす住宅である。数少ない要望は眺望を生かした平屋の住宅とすることであった。敷地を見学した際、海に向かって傾斜した敷地からは北に海、東に沢、南に生活道、西に夕日を望める4つの敷地の特徴が印象的であり、パビリオンのような回遊性を持った平屋の住宅というイメージをすぐに共有することができた。設計が始まると敷地の持つこの四つの軸に引かれるように四角の平面を変形していき、それらの軸が生み出したそれぞれの頂点を切り取ることにより四つの開口を設け、眺望を家に取り込んでいる。最後に寄せ棟の小さな屋根を架けている。四つの開口からの光りと風景が家中に回り込むこと、居心地の良い場を支えるために外周部から内部へと熱的な段階をつくることを考え、中心に機能的に住宅を支えるコア、外周部に多用途であり生活の場となる回廊という「入れ子」のような構成となった。コンパクトでワンルームに近い構成でありながら回廊状の空間が室内に距離を生み出すことで落ち着きのある場が生まれ、開口がもたらす眺望と光りは時間とともに様々な表情を見せる。刻々と変わる海の表情、沢の四季の変化、夕日や山並み。日々新しい発見がある家となることを期待している。