白い箱庭の家

札幌市 在来木造 2階建て

敷地面積 164.08㎡ 建築面積 91.49㎡ 延床面積 151.39㎡
施工 岩田住宅商事株式会社 撮影 酒井広司

 「白い箱庭の家」は、札幌の利便性の高いまちなかエリアに建つ、30代のご夫婦とふたりのお子さんが暮らすコートハウスである。落ち着いた雰囲気のある暮らしと同時に、まちなかということでプライバシーの確保も希望されていたことから、この二つを両立させる方法としてコートハウスを提案した。さらに、コートハウスにすることで、家族のつながりを大切にしながらも多様な居場所や雰囲気を持つメリハリのある家としたいと考えた。間口が狭く奥行きのある敷地である。この特徴ある敷地形状を住宅の内部空間の魅力に繋げたいと考え、玄関から伸びる長い廊下をつくった。突き当たりには柔らかな光が差し込み、家の奥へと引き込まれて行く。長い廊下の中央に大きな中庭を配置した。この中庭は空に開かれた箱をイメージしており、高い壁に囲まれているため外部の喧騒は感じられない。また、流れる水により空間に動きと音が加えられる。この中庭は家全体に光と風を取り込むととともに、子供達の絶好の遊び場にもなっている。そんな中庭を挟んでリビングとキッチンでは互いの様子を見守りながら、家族それぞれの時間が流れている。寝室はリビングと半階のレベル差で向かい合う事で、視線を適度にコントロールしながら開放感を確保している。中庭の周囲に様々な高さで部屋が並ぶことで視線が上に向かい開放感を生み出す。また、各部屋の特徴的な素材が垣間見えることで家全体に静かな賑わいが感じられる。