Shimokawa Blanc

下川町 在来木造 平屋建て

敷地面積 823.00㎡ 建築面積 232.19㎡ 延床面積 191.24㎡
施工 株式会社丸昭高橋工務店 撮影 酒井広司

道北のまち、下川町の市街地端部に建つ木造平屋の住宅である。250坪の敷地は、廃線となった名寄本線の鉄道防風林に寄り添う様に広がる。この住宅は建築家と地域工務店が協働する「森とイエ」プロジェクトの第1作目にあたる。施主の地域への思いや敷地環境から、防風林を手掛かりに下川町の気候風土や地域文化に馴染んだ住宅を創りたいと考えた。かつての産業を支えた遺構への敬意を込め、防風林の連続する風景と呼応するよう水平への広がりを意識したデザインとした。さらに、防風林に寄り添い、しっかりと根付いた暮らしを実現したいという思いから、住宅を「コ」の字に配置し、防風林と住宅で緩い囲み型を形作っている。この配置により、市街地でありながら木立の中で暮らすような自然との一体感を生み、近隣への適度な距離感と中庭への開放感の両立を実現している。地域住宅のモデルとすべく主要構造部には全て地域材を採用、内外装には地元下川のカラマツ材を積極的に活用している。また、厳しい冬の寒さに備え、基本性能としてQ値1.3、C値0.5を実現。冬期の熱源には薪ストーブを併用し、森林資源の活用とエネルギーの地域内循環を意識している。「人」「気候風土」「素材」が紡ぐ、「シモカワ」ならではの住宅が出来たと考えている。