アツベツの森の事務所
 
 
 
 

アツベツの森の事務所は札幌の造園会社の本社社屋である。事務所の建築に当たり、役職員が一体感を持てること、日頃から木や花に触れられること、安定した室内環境を確保できること、これからの業務環境の変化に柔軟に対応できることが大切と考えた。
そこで、事務所とゲストハウスの2つのウイングが中庭を挟んで並ぶ平屋の囲み型とした。それぞれワンルーム上の2つのウイングは中庭を介して視線が通るようになっており、事務室は北向きに大きな開口部を持つ。これにより陽の当たる中庭を眺めながら室内には安定した天空光を取り込むことが出来た。また、閑静な住宅地に隣接した立地を考慮しできるだけボリューム感を抑えるために大きな切妻の屋根を掛けた。屋根を掛けることにより中庭に面した事務室や会議室は中庭に向かって天井が高くなり、自然と中庭視線が向かうようになっている。外装には道南杉板張りとし、中庭の木々、住宅地に景観に馴染むデザインを目指した。
創業50年、地域に根づいた造園会社ならではの建築になったと考えている。